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Writer's choice vol.3

お馴染みの白い服を着て、ロクロに向かう往年のルーシー・リー。表紙を見ただけで、思わず『STUDIO POTTERY』を手に取ってしまう人も多いはずだ。この本は、1990年にイギリスのヴィクトリア&アルバート・ミュージアムで開催された陶磁器のエキシビションのカタログとして制作されたもの。版を重ね、表紙も新しくなって、2008年からふたたび入手しやすくなっている。この展覧会では、イギリスを拠点にした20世紀の陶芸家たちの作品の数々が展示された。陶磁器について世界有数のコレクションを誇る美術館だけあって、その充実度には目を見張らずにいられない。またイギリスは、19世紀後半から手仕事の価値を再評価したアーツ&クラフツ運動の発祥の地でもある。ルーシー・リー、バーナード・リーチ、ハンス・コパーなどの有名どころはもちろん、彼らより知名度の低い作家であっても作品のクオリティは十分に高い。1冊を通して見ると、時代ごとの作風の傾向もよくわかる。建築やデザインのムーブメントとの関連で陶芸が語られることは少ないが、それらの繋がりを読み解くことも十分に可能だ。日本の民藝運動の影響を窺わせる作家が多い点も興味深い。ちょっと似たタイトルの本『STUDIO FURNITURE』は、アメリカのスミソニアン博物館のレンウィック・ギャラリーがコレクションするスタジオ・ファニチャーを収めた本。スタジオ・ファニチャーとは、工場で大量生産されるのではなく、個人作家たちが工房で作った家具のことだ。ここで紹介されているウェンデル・キャッスルやジョージ・ナカシマの作品は、デザインマイアミなどのアートフェアで売買されるなど、現在も評価が高い。また『STUDIO POTTERY』と同様に、知られざる名品が多いことにも驚かされる。アメリカといえば、大量消費文化が極まった国というイメージが強い。しかし、それとは異なる価値観に則った豊かで創造的なもの作りの文化も、脈々と受け継がれてきたのだった。手仕事の再評価が盛んに行われている現在の日本において、どちらの本もより幅広い視野を得るための大きなヒントになるだろう。(T. Tsuchida)

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